メンタルに好影響を与える日記の書き方

手帳と日記の境目は何だろうかと考えたことがあります。

手帳にはスケジュールやタスクなど、未来のことを書くでしょう。そのため、スマートフォンやタブレットなどの電子デバイスを用いてスケジュール管理をする人から「手帳はいらない」という話を聞きますが、当然だろうと思います。

一方、日記にはその日あったこと、過去のことを書くでしょう。未来のことを日記に書くのは思い込みのようなプラシーボ効果はあるかもしれませんが、それは未来日記というより妄想日記です。

私はスケジュール管理はスマートフォンに任せてしまい、過去の事は様々な切り口を手帳で記録します。

それはさておき、スケジュールや目標管理のやり方というのは様々な本があり、知識があるので選択の余地がありますが、日記はどうだろうか?

日記の書き方というのは私が知らないだけかもしれませんが、スケジュールや目標管理より、選択の余地が少ないように思えてきます。

では日記を書く目的とは何かと考えると、その時の事実や感情や意志を残し、スッキリさせる、または後日見たときに参考にするというものではないでしょうか。未来のために過去を残すというと少し見栄えがいいかもしれません。

というわけで、今回読んだ論文は自傷行為をする方に日記による介入を行ったという実験です。しかもRCT。

Hooley, J. M., Fox, K. R., Wang, S. B., and Kwashie, A. N. D. (2018): ‘Novel online daily diary interventions for nonsuicidal self-injury: a randomized controlled trial’, BMC Psychiatry, 18 (1), 264.

日記の書き方で自傷行為が減るのかという、本当にタイムリーな論文です。

日記の書き方で被験者が3グループに分けられます。ASET群は自分をよい気分にしたこと、EW群は心にひっかかったこと、JNL群はその日起こった出来事を感情的なことは抜いて記述しました。

結果は全てのグループで有意に効果があり、ASETはEWよりうつ病スコアが有意に低く、JNLとは有意差がないことが示されました。

ただ、ひとつ考えなければならないのは、研究チームのメンバーが彼らに注意を払い、毎日の文章を読んでいるということです。この他者と繋がっている感覚は役立っているかもしれません。

この論文は日記の書き方も示されており、実施する上で役に立ちます。日記はとにかく書きさえすれば、うつ症状の改善に効果があるというのは、スッキリさせる効果があるということでしょう。

「何食べたい?」と聞いて、「何でもいい」と言われると困る人もいるでしょう。何でもいいは自由すぎるのです。

そこで、日記に「よい気分になったこと」「心にひっかかったこと」「感情抜きの出来事」のどれでも良いので好きに書けばいいと言われると書けるのではないでしょうか。

一番簡単なのは出来事を書くことだと思うので私はJNLの形式で記録し続けています。もちろん手書きです。

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